「段取り能力」の滅茶苦茶な重要さ、あと長男がレゴ教室で段取り能力を身に着けつつある話
子どもの頃に「段取り能力」を身に着けておけるかどうかって、ものすごーーく大事なんじゃないかなあと思うんですよ。
皆さんこんにちは、しんざきと申します。システムエンジニア兼ケーナ吹き兼三児の父でして、15年くらい「不倒城」というレトロゲームブログを書いています。好きな魚介類はべレムナイトです。
今から段取り能力の話をします。
働いていると、当然色んな人と一緒に仕事をすることになるんですが、やはり「仕事の能力が高い人」と「そこまで高くない人」というのはいます。
勿論仕事をする上での能力は様々、その得意不得意も人それぞれなので、仕事をこなしていく武器というものは皆何かしら持っています。細かい定型作業がすげー速い人もいれば、デザインセンスが並外れている人も、誰にでも分かりやすく丁寧な設計が出来る人もいます。
持っている武器はそれぞれ違うもので、そこにはいいも悪いもありません。なるべく自分が得意な武器を使って戦えるフィールドを選んだ方が、楽しく仕事をやっていけそうだよね、というだけのことです。
ただ、私が見ていて「この人すげー仕事出来るなー」と感じる時、その誰もが例外なく持っている能力というものはありまして、その内一番重要、かつ意外と希少なのが
「段取り能力」
なのではないかという気がしています。
「段取り能力」と一言で言うとちょっと抽象的ですが、「段取り能力を持っている人」というのは、要はこういうことが出来る人です。
・何か目標を与えられた時、その目標を達成するまでに必要なタスクをある程度具体的に想定・設定出来る
・更に、それらのタスクを、前提条件や達成条件を考えながら適切な順番に並び替えることが出来る
・更に、それらのタスクを、担当する人が実行可能な粒度まで落とし込める
・一つ一つのタスクについて、大体の必要期間を見積もってスケジューリング出来る
・作ったスケジュールを、現在の状況を照らし合わせて適切に見直すことが出来る
・上記の作業をする際必要な情報が足りなかった場合、ヒアリングをしたり情報収集をして不足を埋めることが出来る
どうでしょう?「簡単やん」と思える人もいるでしょうし、「なんやこれ全然出来ん…」と思う人もいるかも知れません。皆さん、段取り能力、もってますか?
こういうの、出来る人は殆ど無意識でやっていることなので、いちいち意識していないことも多いかも知れないです。ただ、私の所感というか、仕事をしている上での経験上の割合としては、段取り能力をちゃんと持ってる人って「100人いて10人いるかいないか」ってくらい希少なんじゃないかなーという気がしているんですよ。
単に「段取り能力」というだけだと簡単そうに思えるかも知れないですが、「ふわっとした目標を、実行可能なタスク群まで落とし込むことが出来る能力」っていうと、これ実はめっちゃ難しいんですよ。勿論、上でも書いた通り得意分野は人それぞれなので、一つ一つのタスクをとってみれば出来る出来ない速い遅いってことはあるんですが、大抵の人は、まずそのタスクを適切な形で割り出す・割り振ることが出来ないんです。
つまり、「仕事を実行可能な形に出来るか、出来ないか」。これめちゃくちゃ重要な能力だと思いませんか?
「プロジェクトを遂行していく上で、段取り能力を持っている人が何人いるか」というのは最重要というか、言ってしまうと死活問題です。自分以外誰も段取り能力を持っていないと、全てのタスクを全ての粒度で自分が切り分けないといけません。滅茶苦茶大変なのは当然ですが、人間一人だと見落としもあれば考慮不足もあるので、プロジェクトの成功確率はそれだけ下がります。自分の苦手な部分、自分の目の届かない部分をきちんと段取ってくれる人の存在って、一人いるだけでプロジェクトの成功率が根底から変わってくるんですよ。無論、「誰一人段取り能力を持っていなかった」というプロジェクトの悲惨さは言うまでもありません。
さて、じゃあ、この「段取り能力」って、一体どうやって身に着ければいいんでしょうか?
私の現在の結論は、「出来る人がどうやっているかを見ながら、ひたすら数をこなすしかない」です。
タスクの切り分けという作業に一番重要なのは「慣れ」です。どれくらいの粒度でタスクを切れば実行可能になるのか、進捗管理可能になるのか。それは実際にやってみないと分からない勘所であって、本を読んだり机上で何かやったら身につくようなものではありません。だから会社は「サブリーダー」みたいな職位を設けて、リーダーの補佐をさせながらリーダーの仕事を見習わせようとしますし、タスクの粒度を学習させようとします。
ただ、やっぱり、この「段取り」が全くできない人が、一から段取り能力を身に着けるのって結構大変なんですよ。何回見せてあげても出来るようにならない人もいますし、血を吐くような苦労をしてようやく段取り能力を身に着けられる人もいます。もし、社会に出て仕事を始める前に、この「段取り能力」を身に着けることが出来れば、それはめちゃくちゃ大きなアドバンテージになるだろうなーと思うんです。
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ところで、ちょっとしんざきの長男の話をさせてください。
長男は昔から電車好きでして、電車に乗るのも好きなんですが、プラレールやら何やらで電車のレイアウトを作るのも大好きです。長男にとって、プラレールという趣味は一つの精神的支柱でもあって、「かっこいいレイアウトを作れる」という自分の能力に誇りを持っているようにも見えます。それが何であれ、「ぼくはこれが得意」というものを何か一つ持っているかどうか、ってすごく大きいような気がしています。
ところで、そんな長男が、ある時から「プラレールとレゴの組み合わせ」というものに可能性を見出して、段々レゴにもハマり始めたのがそもそもの発端です。
例えばこういうの、プラレールとレゴを組み合わせて、プラレールだけだとパーツが足りなかったり実現できなかったりするレイアウトをぱっぱと作っちゃうの、大変手前味噌ですが結構凄いなーと思ったりもするんです。私がこういうの本当にからっきしなんで余計に。
で、そんな長男が、近所のレゴスクールというものに通いたがり始めまして、実際に通い始めたのが確か3年生くらいだったと思います。最初の内は、教科書に載っているようなレゴの形を自分で作ってみるくらいだったんですが、ちょくちょく見学していると、これが段々発展していくんですよ。
例えば、「未来の学校」というようなふわっとしたテーマが与えられて、それに基づいたレゴを作ったりだとか。
「小さな赤いボールを向こうに運ぶ」という課題が与えられて、それをこなせるようなレゴを作ろうとしてみたりだとか。
最終的には、マインドストームっていうんでしょうか、レゴでロボットを動かすプログラミングの授業がありまして、コンクールに出すレゴのロボットをプログラミングしたり動かしたり、といったことまでやっていて、物凄く楽しそうに毎週通っているんで、まあやらせてあげてよかったなーと思っているんですが。
実はこれ、「段取り能力」を身に着ける、子どもの頃からの練習としては結構最適なんじゃねえか?と思ったんですよ。
つまり、ふわっとした目標が最初にある。例えば、「〇〇する為のロボット」とか「その〇〇のコンクール、コンテスト」みたいな目標もある。
で、その「〇〇」をする為の仕組みを考える、設計をしたりして、きちんとスケジュールも立てつつ、じゃあこの目標を達成するまでに何をすればいいか、どういう順番でやっていけばいいか、ということもチームで考える。そういうことを、結構ちゃんと、何週間にも渡ってやらせてもらっているんです。
これ、大人になってからのシステム開発、プロジェクト遂行のスモールモデルケースそのまんまだなあ、と。
上で書いた通り、段取り能力を身に着ける為には、基本的に「数をこなす」しかありません。それも、何も考えずにプロジェクトに何度も参加すればいいという訳ではなく、そもそも「タスク分けとはどういうことか」「スケジューリングってどういうことか」ということを、ちゃんと間近で見ながら数をこなさないと多分あんまり意味がないんです。
その経験を、子どもの頃に、それも楽しみながら出来るってすげえなあと。自分が子どもの頃こんなのなかったなーと、ちょっと長男を羨ましく思ってすらいます。
最近、夏休みの宿題をやる時、長男が結構ちゃんとしたスケジュールを自分で作っていて、「おお、こんなんよく作れるようになったなー」と言ってみたところ、「いつもレゴでやってるから」と言われてほへーーと感心したと。そんな話なんです。
今回、kicksさんのブログに寄稿させて頂くにあたりまして、丁度長男もレゴスクールに通っておりますので、どうせなら具体的に「レゴスクールでどんなメリットを享受しているのか」という話を書きたいと思い、こんな話を書いた次第です。
「段取り能力」を身に着ける際にも、レゴでの開発プロジェクトの経験は結構寄与するんじゃねえかと。
そんな話でした。
今日書きたいことはそれくらいです。