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いよいよ始まる小学校からのプログラミング教育!世界ではどうなっているの?


日本のプログラミング教育は遅れている?

・イギリス

・ハンガリー

・ロシア

これらの国の共通点をご存知でしょうか?

実はこの3国は、「日本で言う小学校からプログラミング教育が必修科目になっている国」なんです。意外と少ない、と感じた方も多いのではないでしょうか。

プログラミング教育が導入されている国は世界各国にあり、早い国では1990年代から取り組まれて来ました。しかし選択でなく必修制で、且つ初等教育から実施される国は意外にも多くありません。

 

日本でも小学校からのプログラミング教育必修化がいよいよ来年度、2020年より始まります。パソコンの情報処理などの授業は日本でも以前から導入されてきましたが、プログラミング教育に於いて日本は先進国の中で早い方ではありません。しかしながら、初等教育での必修化という点から見れば一概に「遅れている」とも言い切れないのです。

では世界に先駆けてプログラミング教育を取り入れている国々では、実際どのような取り組みが行われているのでしょうか。それらを基に、これから始まる日本のプログラミング教育にどんな事が期待されるのかを考えてみましょう。

 

プログラミング教育必修化の背景

世界的にプログラミング教育が重要視されるようになった大きな理由は「IT技術者の不足」です。AIやロボット技術の発達、VR・ARといった拡張現実、クラウドコンピューティングなどデジタル・通信技術の発展と共に、様々な分野でIT技術の活用が進んでいます。2015年~2020年の間でITの市場は約40パーセント拡大すると予想されており、急速に拡大する市場の規模に伴いそれに従事する技術者の不足が叫ばれています。日本に於いても例外ではなく、経済産業省の発表では2020年には約37万人、2030年には約80万人のIT人材が不足するとされています。

また、様々な分野でIT技術の活用が進む事は社会全体の変化も意味します。今まで以上に情報化の進む中で、得られる情報の中から必要なものを選択し、有用なものへ変換する処理能力が求められます。

ここで確認しておきたいのは、日本において実践されるプログラミング教育は「プログラミング」という教科が新設されるのではない、という点です。文部科学省はプログラミング教育を通して育成する思考力を「プログラミング的思考」と呼んでいます。「プログラミング的思考」とはプログラミングに関する特定の技術ではなく、国語や算数などの科目、日常生活、社会に出た後などあらゆる場面で生かすことのできる汎用的な能力です。

 

・プログラミング的思考…自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか、記号の組合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、ということを論理的に考えていく力(「学習指導要領解説」より)

 

つまりプログラミング的思考とは「コンピュータやプログラミングの考え方を、様々な問題解決に応用する」考え方と言えます。

プログラミング教育は技術者不足の問題に直結した「実践的な技術の育成」と、変化する社会に対応する為の「論理的思考の育成」という2つの側面が見られます。勿論それらは個々に独立した取り組みではなく、論理的思考を育む過程で実践的な技術者を育成していく、という段階を経た繋がりがありますが、日本において実践される「プログラミング的思考」の育成は正に後者に重点を置いた取り組みと言えるでしょう。

プログラミング先進国での取り組み

それでは、現在小学校からプログラミング教育を実施している国では、どの様な取り組みがされているのでしょうか。所謂「IT教育先進国」の中から、必修科目として実施している国と選択科目として実施している国の例をご紹介致します。

①イギリス:「Computing」

義務教育の5~16歳を対象にプログラミング教育が必修化されているイギリスは、早くからコンピューターの教育導入に力を入れて来た国です。1995年から義務教育課程にITを独立教科「ICT」として取り入れ、コンピュータの操作スキルやアプリケーションの使い方が教えられてきました。

しかしそのツールとしてコンピューターに触れる教育方法では、子ども達がコンピューターの面白さや創造性に触れられず、興味をもつ機会が失われていることが問題視されていました。それを受け2013年、ナシナルカリキュラム改定によって「ICT」から大きく生まれ変わったのが「Computing」です。

「Computing」は「デジタルな手段を使いこなすこと」「情報技術」「コンピューターサイエンス」の3つの分野から構成されており、「Computational Thinking」という大きく四つの要素で構成された思考のプロセスを育むことが出来るとされています。

​・「分解」…複雑な問題や仕組みを扱いやすい小さな単位に分解する

・「パターン認識」…共通するパターンや行動を見つけられること

・「抽象化」…重要なことだけを取り出し、他の重要ではない情報を削ぎ落とす

・「アルゴリズム」…問題を解決するための手順や、法則を作り出だす

具体的な学習内容ですが、必ずしもコンピューターを利用した方法ではありません。例えば「ロボットを目的地に移動させる」という課題では児童が指示役とロボット役に別れてゴールを目指しますが、指示するプログラムは紙に記号を書き出して検討します。同じ内容をテクノロジーを使いプログラムを組む方法で行う場合もあり、子ども達の発達と理解の段階に合わせて無理のない方法が選ばれています。

 

②エストニア:「ProgeTiiger(プログラミング タイガー)」

バルト三国のひとつ、人口130万人の小さな国エストニアは、無料で使えるコミュニケーションツールであるSkypeが生まれた国です。日本だと役所に行かなくてはいけない諸々の手続きがインターネットを介して行えるなど、IT先進国として知られています。

エストニアではプログラミング教育が義務化されているわけではありませんが、2012年9月に 「ProgeTiiger」 というプログラミング教育推進プログラムが開始されました。小学校1年生からプログラミング教育を選択制で実施、今後全ての公立学校でプログラミングの授業を選択できるようにすることが目標とされています。

内容は、まずは初等教育ではプログラミングに抵抗なく興味がもてるように、ゲームプログラムやロボットプログラムを使ってプログラミングについて学習していきます。
学年が上がると内容はプログラミング言語に及び、JavaやC++、Pythonなどを学びます。段階的に理解を深めることで、IT人材育成に取り組んでいます。

エストニアでは今後プログラミング教育を義務化する予定なく、選択制の科目としている点からは、個人の能力や自主性を重視している事が伺えます。教科としての学習だけでなく部活動の様な形で、10〜19歳の子供たちがロボット工学・プログラミング・モバイルアプリ・Webデザインを学ぶグループが全国で作られているのも、個人の自主的な興味・関心の育成に力を入れた結果と言えるのではないでしょうか。

 

日本のプログラミング教育に期待されること

2国の例から見えてくるのは、必修制の場合も選択制の場合も初等教育へのプログラミング教育は「こども達が自ら興味・関心をもって学ぶ」ことの重要性です。ただ早くから学習を開始するのではなく、年齢や能力に合わせた無理のない方法で、親しみをもって取り組める様考えられています。私たちディック学園のkicks×crefusが大切にしている「実際の体験を通して知識や独創性を育む」という取り組みにも共通する考えです。

これから小学校で始まる「プログラミング教育」は、単独の教科ではなく各教科に含まれる形で実践されます。各教科を通して「プログラミング的思考」の有用性や面白さが、また「プログラミング的思考」を通して各教科への理解や興味が、深く育まれることでこれからの世界がより楽しく広がる事でしょう。

 

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2019年11月27日 5:10 PM 中部校 津波

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